Green mountains of Oahu
マシュー・デニーフ
写真
クリスチャン・クック
シェアする

音楽の旅

Kelly Boy DeLima, lead singer of Kapena.

甘い歌声と島の美しい情景を描写を通して、聞き手をハワイ一周の旅へと誘うカペナの音楽

「僕たちが演奏するときはいつも旅をしているような気分さ」と語るの は、ハワイのグラミー賞とされるナ・ホク・ハノハノ賞受賞バンド、カペ ナのリードシンガー、ケリー・ボーイ・デリマさんだ。ハウス ウィズアウト ア キーに毎週出演しているカペナは、オリジナルの歌詞やメロディで、 リスナーを島のさまざまな場所へと誘う。メレ(歌)は、ハワイアン音楽 を演奏する地元ミュージシャンが、ハワイの土地にまつわる歴史やスト ーリーを伝える手段の1つだ。ハワイ諸島には、どの地域にもその土地 について書かれた曲がある。音楽を通してオアフ島を旅してもらうのも いいだろう。そこでカペナの曲の中から、彼らのお気に入りの場所につ いて歌ったとっておきの曲をいくつか選んでもらった。

ケリー・ボーイ・デリマはハウス ウィズアウト ア キー で毎週演奏しているカペナのリードシンガーだ。

ハイク、カネオヘ

島のウィンドワード側に位置するカネオヘにあるハイク渓谷について歌 った「ナニ・ヴァレ・ハイク」は、デリマさんの娘で同じくミュージシャンの カレナさんが作曲したオリジナルソング。観客にカペナのルーツを紹介 するために彼らがハレクラニで演奏する曲の一つだ。デリマさんは「、一 言で言うとコオラウ山脈にある僕たちの家について書かれた曲だよ。僕 たちがどこから来たのか、山の向こう側にあるカネオヘとはどんな場所 かを知ってもらいたいんだ」と言う。このメレはモロラニと呼ばれる風や ケアヒアカホエというカネオヘ・アフプアア(古代ハワイアンの土地区 分)を見下ろす美しい山頂といったこの地域を象徴する自然美を描写し ている。この地域には、島に残る唯一の養魚池のヘエイアや、カネオヘ 湾に形成されたサンドバーのアフ・オ・ラカをはじめ、歴史深い場所が 多く残る。シュノーケリングツアーでサンドバーの周りを一周したり、青 く透き通る海と白い砂を海岸から眺めてのんびり過ごすこともできる。 歌に「プルペ・イ・カ・ウア」とあるようにハイクではよく雨が降るので、こ のエリアを訪れるなら、薄いフード付きのジャケットを持参することを おすすめする。

カハルウ、ワイカネ

カネオヘ湾を過ぎるとその先に、カメハメハハイウェイ沿いに広がる田 園地帯のカハルウがある。デリマさんのお気に入りで毎週欠かさず演 奏する曲の1つが、音楽家ジェリー・サントス作曲の「クウ・ホメ・オ・カハ ルウ」だ。彼自身の幼少時代を思い出させる曲だという「。僕たちのマナオ(考え)やハワイアンであること、この島で育つことの意味を共有するこ とが僕たちのクレアナ(使命)なんだ」。歌詞には、渓流でオオプ(魚)を 捕まえたり、コオラウの丘で馬に乗るといった情景が出てくる。「この曲 をとても身近に感じるんだ。僕たちが育った場所について歌っているか らね。自分の生まれ育ったコミュニティのために何かをしたいという目 的意識を与えてくれるし、この場所ならではの魅力や雰囲気を鮮明に伝 えている。それを可能にしてくれるのが音楽なのさ」とデリマさん。カペ ナが年に一度、カハルウ小学校で募金イベントのために演奏するのもこ の理由によるのだそうだ。

カペナは歌を通して、旅行者た ちを島の自然が美しいウィンド ワードへ誘ってくれる。

カイマナ・ヒラ(ダイヤモンドヘッド)

デリマさんはワイキキについての曲を弾く前には必ず、ハワイで最も有 名なランドマークであるダイヤモンドヘッドのハワイ語の名前について 説明する。ハワイ語でマグロの額という意味の元来の呼び名「レアヒ」 は、クレーターの縁の隆起がマグロの背びれに似ていることから名付け られたものだと言われている。「カイマナ・ヒラ」とは、英語のダイヤモン ドヘッドを直訳したハワイ語の呼び名である。メアリー・プラア・ロビン ズとジョン・ノーブルによる「レアヒ」や作曲家チャールズ・E・キングによ る「カイマナ・ヒラ」をはじめ、多くのメレにダイアモンドヘッドにちなん だ名前がつけられている。「僕たちはこの曲をハワイ語で歌うんだ。観客 は歌詞を一言も理解できなくても、演奏が終わると僕たちの音楽にとて も感動したと言ってくれるんだ」とデリマさんは言います「。彼らはカオナ(言葉の意味)を心で感じ取って、深く理解しているんだ」。これらの曲 はダイヤモンドヘッドの圧倒的な存在感とそれを仰ぎ見たときに受け る感動を伝えている。ハワイを訪れたらワイキキの反対の端にあるカピ オラニ公園を散策して、この休火山の優美な姿を一度は拝んでみてほ しいとデリマさんはいう。「そこには静けさが満ちているよ」。

Green mountains of Oahu

『ナニ・ヴァレ・ハイク』

歌詞:ディアナ・クニ、音楽:カペナ・デリマ

『ナニ・ヴァレ・ハイク』
美しいハイクよ
雨に酔いしれる
Ku‘u lei aloha

Pa ma ka makani
‘O Mololani
He wehi mau ia
No Keahiakahoe

Kilakila nā Ko‘olau
Kau mai i luna
Ua ola nei wahi
I loko (o) ke aloha

He mele he inoa
No ia home nani
‘O ka ua ‘Āpuakea
Ku‘u lei aloha

So beautiful is Ha‘ikū
Bedecked in the rain
The ‘Āpuakea rain
Is my beloved adornment

The Mololani wind
Blows forth
A perpetual adornment
For Keahiakahoe

Majestic are the Ko‘olau
Placed high above
May this place thrive
In love and warmth

Let the song be told
Of this beautiful home
The ‘Āpuakea rain
Is my beloved adornment

マシュー・デニーフ
写真
クリスチャン・クック
シェアする

音楽の旅

Kelly Boy DeLima, lead singer of Kapena.

甘い歌声と島の美しい情景を描写を通して、聞き手をハワイ一周の旅へと誘うカペナの音楽

「僕たちが演奏するときはいつも旅をしているような気分さ」と語るの は、ハワイのグラミー賞とされるナ・ホク・ハノハノ賞受賞バンド、カペ ナのリードシンガー、ケリー・ボーイ・デリマさんだ。ハウス ウィズアウト ア キーに毎週出演しているカペナは、オリジナルの歌詞やメロディで、 リスナーを島のさまざまな場所へと誘う。メレ(歌)は、ハワイアン音楽 を演奏する地元ミュージシャンが、ハワイの土地にまつわる歴史やスト ーリーを伝える手段の1つだ。ハワイ諸島には、どの地域にもその土地 について書かれた曲がある。音楽を通してオアフ島を旅してもらうのも いいだろう。そこでカペナの曲の中から、彼らのお気に入りの場所につ いて歌ったとっておきの曲をいくつか選んでもらった。

Kelly Boy DeLima is the lead singer of Kapena, which performs weekly at House Without a Key.
ハイク、カネオヘ

島のウィンドワード側に位置するカネオヘにあるハイク渓谷について歌 った「ナニ・ヴァレ・ハイク」は、デリマさんの娘で同じくミュージシャンの カレナさんが作曲したオリジナルソング。観客にカペナのルーツを紹介 するために彼らがハレクラニで演奏する曲の一つだ。デリマさんは「、一 言で言うとコオラウ山脈にある僕たちの家について書かれた曲だよ。僕 たちがどこから来たのか、山の向こう側にあるカネオヘとはどんな場所 かを知ってもらいたいんだ」と言う。このメレはモロラニと呼ばれる風や ケアヒアカホエというカネオヘ・アフプアア(古代ハワイアンの土地区 分)を見下ろす美しい山頂といったこの地域を象徴する自然美を描写し ている。この地域には、島に残る唯一の養魚池のヘエイアや、カネオヘ 湾に形成されたサンドバーのアフ・オ・ラカをはじめ、歴史深い場所が 多く残る。シュノーケリングツアーでサンドバーの周りを一周したり、青 く透き通る海と白い砂を海岸から眺めてのんびり過ごすこともできる。 歌に「プルペ・イ・カ・ウア」とあるようにハイクではよく雨が降るので、こ のエリアを訪れるなら、薄いフード付きのジャケットを持参することを おすすめする。

カハルウ、ワイカネ

カネオヘ湾を過ぎるとその先に、カメハメハハイウェイ沿いに広がる田 園地帯のカハルウがある。デリマさんのお気に入りで毎週欠かさず演 奏する曲の1つが、音楽家ジェリー・サントス作曲の「クウ・ホメ・オ・カハ ルウ」だ。彼自身の幼少時代を思い出させる曲だという「。僕たちのマナオ(考え)やハワイアンであること、この島で育つことの意味を共有するこ とが僕たちのクレアナ(使命)なんだ」。歌詞には、渓流でオオプ(魚)を 捕まえたり、コオラウの丘で馬に乗るといった情景が出てくる。「この曲 をとても身近に感じるんだ。僕たちが育った場所について歌っているか らね。自分の生まれ育ったコミュニティのために何かをしたいという目 的意識を与えてくれるし、この場所ならではの魅力や雰囲気を鮮明に伝 えている。それを可能にしてくれるのが音楽なのさ」とデリマさん。カペ ナが年に一度、カハルウ小学校で募金イベントのために演奏するのもこ の理由によるのだそうだ。

カイマナ・ヒラ(ダイヤモンドヘッド)

デリマさんはワイキキについての曲を弾く前には必ず、ハワイで最も有 名なランドマークであるダイヤモンドヘッドのハワイ語の名前について 説明する。ハワイ語でマグロの額という意味の元来の呼び名「レアヒ」 は、クレーターの縁の隆起がマグロの背びれに似ていることから名付け られたものだと言われている。「カイマナ・ヒラ」とは、英語のダイヤモン ドヘッドを直訳したハワイ語の呼び名である。メアリー・プラア・ロビン ズとジョン・ノーブルによる「レアヒ」や作曲家チャールズ・E・キングによ る「カイマナ・ヒラ」をはじめ、多くのメレにダイアモンドヘッドにちなん だ名前がつけられている。「僕たちはこの曲をハワイ語で歌うんだ。観客 は歌詞を一言も理解できなくても、演奏が終わると僕たちの音楽にとて も感動したと言ってくれるんだ」とデリマさんは言います「。彼らはカオナ(言葉の意味)を心で感じ取って、深く理解しているんだ」。これらの曲 はダイヤモンドヘッドの圧倒的な存在感とそれを仰ぎ見たときに受け る感動を伝えている。ハワイを訪れたらワイキキの反対の端にあるカピ オラニ公園を散策して、この休火山の優美な姿を一度は拝んでみてほ しいとデリマさんはいう。「そこには静けさが満ちているよ」。

Kapena’s songbook suggests travelers venture to the Windward Side to experience its majestic natural beauty.
Green mountains of Oahu

『ナニ・ヴァレ・ハイク』

歌詞:ディアナ・クニ、音楽:カペナ・デリマ

Nani wale Ha‘ikū
Wehi i ka ua
‘O ka ua ‘Āpuakea
Ku‘u lei aloha

Pa ma ka makani
‘O Mololani
He wehi mau ia
No Keahiakahoe

Kilakila nā Ko‘olau
Kau mai i luna
Ua ola nei wahi
I loko (o) ke aloha

He mele he inoa
No ia home nani
‘O ka ua ‘Āpuakea
Ku‘u lei aloha

English Translation

美しいハイクよ
雨に酔いしれる
アプアケアの雨
愛しい雨よ

モロカイから吹く風が
運んでくる
ケアヒアカホエに
永遠の輝きを

雄大なコオラウよ
高くそびえ立つ
この場所よ永遠に
愛と暖かさに包まれて

高らかに歌おう
美しい故郷の歌を
アプアケアの雨の降る
愛しい雨よ

その他のストーリー