街を愛する人
スケーターでDJ、カイムキの理髪店「ゴールデン・ハワイ・バーバーショップ」オーナーの
グラント・フクダさんが案内するホノルルでの1日の過ごし方
コオラウ山脈の麓にあり、カイムキの街に隣接した谷、パロロ。70年代 と80年代にかけてこの場所で育ったグラント・フクダさんは、スケート ボードと地元アーティストの掘り出し物のレコード探しに明け暮れる日 々を過ごした。現在、フクダさんはこれらの趣味を生かした事業で成功 を収めている。2009年には「グラントズ・ゴールデン・ブランド・ポマー ド」を立ち上げ、2017年にはカイムキに「ゴールデン・ハワイ・バーバー ショップ」という理髪店をオープンした。この数十年間、オアフの劇的な 変化を目の当たりにしてきたフクダさんは、馴染みの店が消えていく一 方、新たな行きつけの店も生まれたという。そんなオアフ出身のフクダ さんに、理想的な1日の過ごし方を聞いた。
カイムキの理髪店「ゴールデン・ ハワイ・バーバーショップ」創始 者のグラント・フクダさんの通い つけの場所は、地元の味わいと ノスタルジックな雰囲気に 満ちている。
午前9時、カイムキで朝食
カイムキはグラント・フクダさんの大好きな街だ。最近では、コーヒーシ ョップや朝食を提供するレストランが増え、街が活況を取り戻しつつあることをフクダさんは喜んでいる。1日の始まりに、ワイアラエ通り沿いの9thアベニューと10thアベニューの間にある「カイムキ・スーパレット」で朝食を摂る。フクダさんの一押しメニューは、「ハパ・フライドライス」だ。ポルトガルソーセージとタアサイ、ミックスグリーンとご飯を炒めた大盛りの炒飯に、アボカドと2つの半熟卵がのった一品だ。行きつけのコーヒーショップは2軒あり、香り高いハンドドリップコーヒーが楽しめる「ザ・カーブ」、そして「コーヒー・トーク」は「学生時代によく宿題をしていた地元の人たちが通う店」という。ともにカイムキ・スーパレットから歩いで数ブロックの距離にある。
カイムキ・スーパレットのハパ・ フライドライス。
午前10時半、サウスショアでのサーフセッション
美味しい朝食とコーヒーの後には決まってサーフィンを楽しむ。ビーチでのんびり過ごしたい日には、オアフ島を北上し、幼い頃から足を運んでいる砂浜が綺麗で水温の温かいカアアヴァビーチへと向かう。サーフ ィンをしたい時には、ワイキキにあるサーフスポットの”ライスボウル”を訪れるという「。コンディションが良い時には、かなりの確率で“グリーンルーム”に入れますよ」とフクダさん。グリーンルームとは、波のバレルの中で完璧なポジションに入った状態を指すサーファースラングだ。
午後1時、カリヒの知る人ぞ知る老舗「パレス・サイミン」でランチ
炒飯とコーヒーのカロリーを燃焼しきってお腹の空いたフクダさんは、キングストリートにある小さなレストラン「パレス・サイミン」へ。「僕はいつも特大サイズのサイミンとマスタードを大盛りで注文します。ワンタンサイミンも美味しいですよ」とフクダさん。「値段も量も申し分ないし、懐かしさを感じさせる席やメニューの看板、それに地元の常連がいるこの雰囲気が何より好きなんです」と説明する。この店が70年以上続いている老舗だというのも納得だ。
午後2時、ホノルルのビンテージストアでレコード探し
掘り出し物を求めてレコードの入った埃だらけの木箱を物色するフクダさんの目は輝いている。ハワイアン音楽とスラックギターのレコードの熱心なコレクターである彼の経営する理髪店の壁には、お気に入りのアルバムの表紙が勲章のように飾られている。破格の掘り出しものが見つかるのは、地元のリサイクルショップだという。フクダさんは「誰かが何年もかけて集めた貴重なコレクションが捨てられるのは大抵リサイクルショップなのです」と熱心に語る。それがたった 2ドル50セントで売られているのだから興奮するのも無理はない。「僕みたいなレコード中毒にとっては、まるで数セントで売られているダイヤモンドを見つけたような満足感があるんです」。
ロス・チャッポロスにて チップス、サルサとマルガリータ で乾杯。
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