標高760~1,220メートルのコオラウの雲霧林では、植生と樹木が密集して育ち、標高の低い場所で育った同じ植 物よりも背が低く育つ傾向がある。雲が流れ入ると、その湿気が木を覆っている深い苔とシダの葉で凝結する。枝から土壌へと滴り落ちる淡水の水滴が、地下の帯水層へゆっくりと浸透していく。山頂上空には、冬の間はとくに雨を降ら せる雲が形成しやすく、断続的な小川や池、滝を作り出す。 ハワイの先住民たちは、山の斜面に降る雨の微妙な降り方の違いを観察し、穏やかな雨を「キリ・ナヘ」、どしゃぶりの雨を「ウア・ホエエレ」といったように特徴別に名前を付けて呼んでいた。ハワイの作曲家で学者のメアリー・カヴェナ・プク イさんによれば、「コオラウから吹く風に合わせて、サトウキビに降るリズミカルな雨」は「カニコオ」というのだそうだ。
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