「コオラウ」とは「風上」を意味し、風上にある島の東側に位置することから名付けられた。南のマカプウから北のカフクまで、60キロにわたって伸びるコオラウの尾根は、海底の麓と陰陽の関係を保っている。長年におよぶ風と雨で削られたコオラウ山脈は、休火山であるコオラウ火山のカルデラが半分残ってできた。尾根に沿って蛇行するいくつかのトレイルは、挑戦者向けのハイキングコースとなっているが、生い茂った薮や木の根が這い、泥に覆われた地面はベテランハイカーにとってすら難関だ。
その山頂は、プウ・コナヌアヌイと呼ばれ、ヌウアヌ渓谷に隣接した二つの峰からなる。標高960メートルに達すると、その山頂はしばしば薄暗い雲に覆われていて、強い風が吹き荒れる。多様性に富んだコオラウの森林地帯には、アイアンウッドやストロベリーグアバ、シナモン、ナイトブルーミングジャスミンなどの侵略的な種とともに、土着のオヒア・レフアやコアの木が生えている。赤いアパパネや美しい歌声のエレパイオといった固有の野鳥もコオラウを住処にしている。

標高760~1,220メートルのコオラウの雲霧林では、植生と樹木が密集して育ち、標高の低い場所で育った同じ植 物よりも背が低く育つ傾向がある。雲が流れ入ると、その湿気が木を覆っている深い苔とシダの葉で凝結する。枝から土壌へと滴り落ちる淡水の水滴が、地下の帯水層へゆっくりと浸透していく。山頂上空には、冬の間はとくに雨を降ら せる雲が形成しやすく、断続的な小川や池、滝を作り出す。 ハワイの先住民たちは、山の斜面に降る雨の微妙な降り方の違いを観察し、穏やかな雨を「キリ・ナヘ」、どしゃぶりの雨を「ウア・ホエエレ」といったように特徴別に名前を付けて呼んでいた。ハワイの作曲家で学者のメアリー・カヴェナ・プク イさんによれば、「コオラウから吹く風に合わせて、サトウキビに降るリズミカルな雨」は「カニコオ」というのだそうだ。
人々が生活に用いる資源を集めるために日常的に足を踏み入れていた森林地帯は、「ヴァオ・ナヘレ」(森林の領域)と呼ばれ、「ヴァオ・アクア」と呼ばれる高地にある神の領域と区別されていた。木やその他の植物の茂る雲霧林は、神の延長線上にある神聖な場所と考えられていたのである。ハワイアンたちは、神にウカ( 高地)に入る許しを請うオリ(チャント)を捧げた上で、コアやカウイラといった在来の広葉樹を伐採し、家屋や双胴船カヌー、道具、武器などを作った。同様に魚網を作るためのオロナと呼ばれる繊維を集めたり、バスケットを織る材料の蔓植物のイエイエやラーアウ・ラ パアウ(伝統薬草療法)に使う多くの種の植物や花を山から採取した。
コオラウの緑の美しさは、ハワイの詩的な言い伝えやことわざにも表されている。「愛はコオラウのそよ風の終わりのよ
う」という意味の「メ・ヘ・ラウ・ノ・ケ・コオラウ・ケ・アロハ」は、目に見えないが常に存在する穏やかな本物の愛の喜びを、愛しいウィンドワードのそよ風に例えている。作曲家のアリス・ナマケルアさんが1958年にコオラウ山脈のヌウアヌ・パリを走り抜けながら、立ち上る霧と流れ落ちる滝に感銘を受けて書いた『アロハ・コオラウ』という曲は、今も多くのアーティストにカバーされているハワイの名曲となっている。
「コオラウ」とは「風上」を意味し、風上にある島の東側に位置することから名付けられた。南のマカプウから北のカフクまで、60キロにわたって伸びるコオラウの尾根は、海底の麓と陰陽の関係を保っている。長年におよぶ風と雨で削られたコオラウ山脈は、休火山であるコオラウ火山のカルデラが半分残ってできた。尾根に沿って蛇行するいくつかのトレイルは、挑戦者向けのハイキングコースとなっているが、生い茂った薮や木の根が這い、泥に覆われた地面はベテランハイカーにとってすら難関だ。
その山頂は、プウ・コナヌアヌイと呼ばれ、ヌウアヌ渓谷に隣接した二つの峰からなる。標高960メートルに達すると、その山頂はしばしば薄暗い雲に覆われていて、強い風が吹き荒れる。多様性に富んだコオラウの森林地帯には、アイアンウッドやストロベリーグアバ、シナモン、ナイトブルーミングジャスミンなどの侵略的な種とともに、土着のオヒア・レフアやコアの木が生えている。赤いアパパネや美しい歌声のエレパイオといった固有の野鳥もコオラウを住処にしている。

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